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小野崎一徳は明治16年(1883)から昭和4年まで、約45年間にわたり、足尾銅山の古河御用写真師として変転する銅山の内部と周辺を撮影した。その内容は採鉱・選鉱・製錬などの現場だけでなく、森林伐採や工作・土木分野もあり、鉱山や町の行事・冠婚葬祭、一般写真それに公害防止工事の現場記録など多岐にわたっている。 レンズを通して、メカニックな記録として残された一連の写真は、過ぎ去った時間を保存し、歴史の過程を検証する証拠物件となり得る。事実、100年間あまり埋もれていた一徳の写真を並べてみると、単に足尾銅山の歴史のみならず、明治・大正期における私どもの先輩たちによる国づくりの息吹が聞こえてくる。これらを読み解くことによって、従来ともすれば文献資料を基本として語られてきた多くの先人たちの発言や文章の情報について、その是非を確認することもできるのではなかろうか。 また、昨今、日本の近代化を支えた鉱山などの産業遺産を保存し、世界遺産として登録する活動が各地で盛んになっている。足尾には、日本の産業革命の先駆けとなった沢山の資産が残っている。また、日本で最初に実施された公害防止関連の遺産もある。本年秋、地元市民が中心となって「足尾銅山の世界遺産登録を考える会」が発足し、その準備活動も始まった。一徳の写真は、それら産業遺産の往時の様態を補完する記念写真として十分に活用できるものである。 そうした問題提起も含めて、本書をまとめてみた。 「小野崎一徳写真帖」足尾銅山 著書小野崎敏より抜粋
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